あおいそら

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凄く困る

 アルコバレーノの呪いが解け、普通の成長速度で成長するようになった…という説明だったが、実際はものの10年で元に戻った、らしい。
 あぁ、あの可愛らしかったリボーンが、こんなイケメンになってしまった。…凄く困る。

「おい、クコ。こっちに来い」

 数年前までは隼人に任せていたパーティのパートナー役を奪い、毎度私を隣に置きたがる。…近いというか、肩を抱かれる。
 少しシャンパンを取りに離れて、途中知り合いと話していたら…すぐにやって来る。

「…すみません。
 リボーンが呼んでいるので、失礼しますね」

 申し訳なく相手にそう謝ってリボーンに駆け寄ると、リボーンはお決まりのように私の肩を抱き寄せる。
 物理的に縮まった距離に顔が赤くなる。…だってリボーン、イケメンだし。

「フッ、何赤くなってやがる」

「別に…リボーンの気のせいじゃない?」

 イタズラっ子の顔をして、リボーンは私の顔を覗き込んできて…近づく顔に、また私は赤くなる。
 ニヤニヤするリボーンから顔を隠すために、抱きついて…オレンジ色のYシャツに顔を埋める。…微かにリボーンが好んで使っている香水のいい匂いがする。

「…帰るぞ」

 クククッ。と愉快そうに笑って、リボーンは私を抱き上げて歩き出したので、仕方なく。…仕方なくリボーンの首に抱きつく。
 他の人の視線が痛いが、降りることも出来ないので…当然です。という風を装って、すまし顔を作る。内心、止めてよ、リボーン!と泣きそうだけど…ボスたるもの、そう簡単に泣きべそをかくわけにはいかない。

「…もう!
 毎回私を抱えて出るの止めてよね!」

 白いリムジンに乗り、ドアが閉まってからリボーンに文句を言う。…効果があるかどうか分からないけれど。

「…だって皆クコを見てたんだもん」

「…もん。じゃないよ!
 昔ならまだしも、その姿で可愛い子ぶるなよ!!」

 広い車内なのに、私の隣に脚を組んで座っているリボーンの太股をペチペチ叩きながらツッコミを入れる。

「カオスだな」

「もー!
 じゃあ、次のパーティのパートナーは隼人に頼んじゃうから!!」

「それは出来ねぇ」

 ぐいっと引き寄せられて、私の肩はリボーンの胸板に当たる。…顔を上げると、触れそうなくらい近くにリボーンの顔があって、息が顔にあたる。

「…オマエは俺の正妻だからな」

 リボーンの瞳から、目が逸らせないでいると…静かに口付けられた。

 本当に、リボーンはイケメンで大好きだから…凄く困る。

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