あおいそら

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奇なり

 事実は小説よりも奇なり。…本当にその通りだと思う。
 まさか私がこんな生活をするなんて…考えたことすらなかった。
 いやでも、まさか小さくってか若返る?なんて誰が思うだろうか…。
 しかもトリップって、笑わせてくれる。…実際、笑ってしまったし――

「ちょっと、獄寺くん!?」

「離して下さい、10代目!」

「ははっ、獄寺元気だな」

――なんでREBORN!の世界で、なおかつ主人公と同じクラスになるとか…誰が考えつくのか。

「もう、やってらんねぇー」

 思わず心の声が口から漏れるくらいに、誰か賑やかな後ろの席の人達を黙らせて欲しかった。

「あぁん?なんだテメー」

「ちょ、獄寺くん…」

 私の呟きを毎度無駄に拾って、ウザ絡みしてくる。そして毎度沢田に止められる。山本は…笑ってるだけっていう。

「何もないから、ほっといて欲しいんだけど…?」

「そうだよ獄寺くん…雨草さんは何もしてないよ!」

「でも10代目、コイツ煩くないっすか?」

 私の話を聞く耳持たない獄寺に、大人の私もイラッとしちゃうよ!

「…獄寺、いい加減にしろォ!
 毎度毎度耳元でピーピー騒ぎやがって…るっせーんだよ!!」

 バン!と机を勢い良く叩いて立ち上がり、獄寺を睨みつける。
 突然の行動に驚いたのか、沢田は尻餅をついているが…知ったことでは無い。

「…なっ!?」

「いいか、獄寺。
 大体貴様は…10代目の為だとか言いながら、全く沢田の話を聞いていないではないか!」

「…ぐっ!!」

「雨草さん、キャラが違うよ!」

「はははっ、なんだか男らしいのなー」

 起き上がった沢田がツッコミを入れたり、のんきな山本が笑っている。
 が、そんなことは知ったことでは無い。

「せっかく学校生活を楽しんでいたのに…もういい。
 もう来ない」

 素早く荷物を鞄に詰め込んで、じゃあな!と捨て台詞を吐こうとした瞬間…腕を掴まれた。
 掴んだのは…獄寺だ。

「離せ」

「…っ、オマエが好きだ!」

 だから、来ねぇなんて言うな…。と、真っ赤な顔で獄寺が叫んだ。

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