あおいそら

皆で海。

 水着の上からピンクのパーカーを羽織って、浮き輪を抱えて歩く。
 暑い日差しを手で遮りながら…デカいビーチパラソルの下すでにぐったりしている兄さん達へ近づく。

「せっかく海に来たんだから楽しもうよー」

「あ、トド松」

 わらわらとコチラに気が付いた兄さん達に囲まれて、可愛いとかと褒められる。
 そんな暇があるならナンパでもして玉砕してくれば良いのに…。

「背中に日焼け止め塗って欲しいんだけど…」

 ひと通り兄さん達が褒め終わった所で、日焼け止めを取りだして兄さん達を見ていく。
 チョロ松兄さんはポンコツだし、一松兄さんはなんかヤバイし…十四松兄さんは何しでかすか分からない…ここはおそ松兄さんに頼もう。
 何かあれば全力でぶん殴ればいいし!

「じゃあ、おそ松兄さんに頼もうかな」

「おっけー!まかしとけ」

 フンフンと鼻歌を歌いながら、手にべっちょりと日焼け止めを出して背中に塗ってくれた。
 塗られている間も兄達に囲まれるという、傍から見たら異様な状況だと思う。
 だって同じ顔が5つ…あ、6つになるのかな?…あるから余計に異様だ。
 顔は簡単に変えられないし、慣れているので今さらなのだけど。

 終わったよ。と肩を叩いた兄さんにお礼を言うと、ラムネで良いよ!とたかられた。

「仕方ないなぁ…。
 ハイ、これラムネ代ね」

 皆で飲んで。と500円をおそ松兄さんに渡すと、想像通り乱闘が始まった。
 本当に兄さん達はいつでもどこでも変わらないなぁ…。

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