雨の守護者の使命(1/3)

 


ザアアアア・・・・ と上から落ちてくる水。下から徐々に貯まりはじめる。昼間の陽気な雰囲気を忘れたボロボロの校舎。
座り込む少年と立って剣を構える青年。

青年は少年に向けて話しだす。



「剣帝という男を 倒し 極めた剣を試すため
 オレは 強ぇ相手を 探していた」



あれは8年よりもう少し向こうの話。



((スクアーロは…
 そんな折 細々と継承されている 完全無欠の暗殺の剣が 東洋にあると聞いて とんでいったっけ…
 それが 時雨蒼燕流))

「見つけたぜぇ 継承者と弟子の3人をな
 貴様と同じ八つの型を 使いやがった

 だが所詮は 古典剣術の亜流!!
 すべての型を受け!! 見切り!! 切り刻んでやったぞぉ!!」



沢田綱吉はスクリーンを通してスクアーロの話を聞いて心底驚いているが…



「スクアーロの……もう一ランク早い」



…ディーノも言った通り。スクアーロの技の見切りは反射レベルよりも早いからね。
口をヘの字に曲げて少し眉間にシワを寄せる。



「聞いてねーな そんな話…」

「ん゙ん?」

「オレの聞いた 時雨蒼燕流は  」



山本武は深手を負い、息を切らしながらも立ち上がる。



「  完全無欠 最強無敵なんでね」

「ゔお゙ぉい!!
 バカか 貴様は!!」

「やってみなきゃ わかんねーって」



苦しいながらも、どこか涼しい顔をしている。



「もう
 かげんはしねぇぞぉ」



スクアーロは薄く口を開き、標的を、その髪と同じように透き通っている、目で捕らえた。



『!』

「スクアーロが 牙を剥く」



隣では、やはりモスカの手の上にちょこんっと乗ったマーモンが静かに呟く。



   ザッ



「行くぜ」



両者がそれぞれの武器を構え踏み込む。



先に仕掛けたのは



   ドシュッ  ザボッ



スクアーロ。今では少年達も見慣れたであろう、仕込み火薬を五つの噴出口から飛ばす。



   ドオッ



山本武の目の前に大きな水の塊が発生する。
スクアーロはそのまま剣を後ろに下げ、今度は勢いを付けて剣を前に振る。



   ギャン



しかし、彼の剣は大きな音をたてて近くの柱に当たり、砕けた柱の破片が…



「!?」



山本武の右目に直撃する。



衝撃で ザバシャッ と倒れた山本武に



「ゔお゙ぉい!!

 動き出したら 止まら ねーぞぉ!!」



スクアーロが襲い掛かる!


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