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身長も体重も平均的な・・・嘘。体重は結構頑張って平均以下にしてる!
それで、真っ直ぐじゃないけどウェーブを描くわけでもない、ちょっと癖のある黒髪と生まれもった小麦色の肌
目はたれ目で、歯並びだけは自慢できるほどいい!うん。だから?って感じの自慢。

うだうだうだうだ何が言いたいかというと、私、*****はどこにでもいる、至って平凡な女子大生だということです。

つまり・・・

「ちょっと***、何固まってんの?」
「ご、ごめん、」

友達に小突かれて、私は再び周りを少しみて、少し泣きたくなった。

(イ、イケメンばっかり・・・!!)

私は、今この場にいるただ一人の異物なわけです!


大学に入ってできた友達は、皆綺麗で可愛くてモテる。
そんな友達は合コンやらサークルコンパやらに行って積極的に出逢いを求めてる。

私は、女子校上がりのせいで男子に免疫もなく、言ってしまえばちょっと・・・ううん。結構怖い。し、苦手。

普通に恋がしたい私は、友達に相談したわけですが・・・
何のアドバイスもなく「合コン行こう!」ってなって、今に至るんです。


居酒屋の一角で男子は既に揃っていて、その数なんと六人!皆モデルさんみたいにカッコ良くて、座っててもわかるくらいスタイルいい!!

早速下を向いて固まってしまった私に、友達は好きなとこ座りなとその一角に押しやられた・・・死ねる。緊張で。

「き、紀伊ちゃん、合コン、だよね?合コンって男子のほうが多いものなの!?」

コソコソしながら友達の一人である紀伊ちゃんに訴えれば、紀伊ちゃんはケロッと違うよ。と答える

「ウチらが内部進学なの知ってるよね?」
「う、うん。」
「学部は違うけど、皆内部進学で仲良かったの。今日は合コンっていうより、***の男性恐怖症を克服しようの会第一回目よ。」
「だ、だいいっかい・・・」

くらりと目眩がして、私は常に微笑んでいる花ちゃんにホントに?と半泣きで聞く。
花ちゃんはそんな私の頭を撫でながら、頑張りなさい。と笑みを強くする。

「がっ、んばるます!」
「順番順番。」

漸く一角をマトモにみれば、天使の輪をつくるサラサラヘアーのイケメンと目があって
私はそのイケメンから逃げるように一番端に座った。

「真ん中座りなさいよ!」
「やっ、やだ!イケメンがイケメン過ぎてイケメンに殺される!」

無理無理無理無理無理!!!と勢いよく首をふれば、ふりすぎて頭がぐわんぐわんする。

「どうやら嫌われてしまったようだな。」

サラサラヘアーのイケメンがフッと笑いながら言うもんだから、私はもう全力で首を横にふった。

「ちちちちちがいます!!あの、嫌いとかじゃなくって!その、イケメン過ぎて死にそうっていうか!あの、うわあぁぁん!!みっちゃん助けて!!」

隣に来てくれたみっちゃんに抱きつけば、みっちゃんはよしよしと私の背中を撫でてくれる。
男子のうち誰かが噂通りだと笑って、それに私以外の皆が同意して
私は噂ってなに!?と青ざめた。

「男子が苦手てパニックになりやすい、勿体ない子がいるってよく話してるから。」
「事実でしょう?***ったら折角可愛いのにこうだから、ぜんっぜん浮いた話がないの?」

つまらない!と力説する紀伊ちゃんは、ぱん!と手を叩いて笑った。

「先ずは自己紹介ね!ウチらは顔見知りだけど、***はそっちを知らないからね。そっちだけ***に自己紹介してちょうだい!」
「では私からいこう。法学部三年、立花仙蔵だ。」
「俺は教育学部三年、食満留三郎だ!よろしくな。」
「うぇっ!?は、はいっ!」

頭を下げたら、おでこを机にぶつけて痛かった、

「僕は善法寺伊作。医学部三年、よろしくね。」
「はいっ、」
「商学部三年、中在家長次・・・だ。」
「どうも、」
「体育学部三年、七松小平太だ!笑え!」
「は、はい!?」

訳が分からず、取りあえずへらりと笑ってみたが
七松君は不思議そうに首を傾げて、テーブル越し(斜め向かいから)に身を乗り出して
ふにっとほっぺを両方掴まれた。

「い、いひゃい、」
「ちょっと小平太!***はか弱い女の子なんだからね!?」

やめなさいよと言ってくれるみっちゃんをスルーして、七松君はふにふにとほっぺをつまむ。痛い。

「笑顔が固い!」
「ごめんなひゃ、い、」
「ほら笑え゙っ!」

帰りたい!と半泣きに戻ってしまった私のほっぺから、手が放れた。
ついでにゴン!という鈍い音もした。

「やり過ぎだバカタレ!」
「小平太・・・酒禁止。」
「えぇー!?」

がーん!とショックを受けてる七松君の横、まだ名前を教えてもらってない人は、今助けてくれた人。
その人と目が合えば、隈の酷い目で睨まれた!怖い!

「経済学部三年。潮江文次郎だ。」
「・・・え、っと・・・保健学部三年の*****です。紀伊ちゃん達とは学部は違いますが、食堂で意気投合してから仲良くしてもらってます。あの、よろしくお願いいたします。」