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途中24時間営業のスーパーで残ってるお惣菜を買って、更にコンビニでとりあえず下着を(サイズは?と聞いたら首を傾げられた)買って帰宅
遠赤外線ヒーターしかないからとエアコンをつけて速攻で風呂を沸かした私は、てきとうにお食べとお惣菜をテーブルにビニールごと置いてお湯を沸かす。私はお茶漬けでいい
最初はニオイを嗅いだりつついたりしてた五人は、勘右衛門くんが思い切ったように一口食べて固まり他の四人は食べてすぐに口をおさえた

「っ!」
「なんだこっ、ぉえっ、」
「お姉さんこれ腐ってます・・・」
「兵助食うな死ぬぞ!」
「・・・白和えと書いてあるのに・・・豆腐の味がしない・・・だ、と?」
「あんたたちうっさいよ!」

はいスープとたまごスープをだしてお茶漬けをすすりはじめた私は、腐ってなんかないよと勘右衛門くんが差し出してくるローストビーフを食べる
おいしいじゃないと更にもう一切れを口にしてこっち食べる?と有名メーカーのお茶漬けを差し出した。そしたら、食べた勘右衛門くんの顔がムムムと皺だらけになった

「なんだこれもダメ?」
「・・・、いえ、大丈夫です。」

すっかり冷めたあんまんを温めなおしながらお湯が足りなくなったのでポットに水をいれ、面倒なんだけどなーとあったまったあんまんを咥えながらのりをガスコンロで炙る
その様子を興味津々でみてくる勘右衛門くんに冷蔵庫から茶色い壺だしてと言えば、れいぞうこ?と首を傾げて動かない
わかんないなら(んなことあるのか)いいよとお椀にご飯ともみ海苔、おばあちゃん特製酸っぱすぎる梅干しと白胡麻を散らし、緑茶を注いではいどうぞと差し出した

「・・・いただきます。」

そしてやっと、ほっと顔が緩んでおいしいと呟いた勘右衛門くんは、豆腐って最早なんだとほうれん草の白和えを睨みつける少年に近づき食べてみてよといいながら問答無用であっつあつのスプーンを口に突っ込んだ
あっつ!?とはねた少年は涙目になりながら飲み物を探している。そういえば用意してなかったかとマグカップやら湯呑みやらを集めて麦茶をだせば、少年はごきゅっと麦茶を飲んで勘ちゃん!と怒る
解せぬと顔面が訴える勘右衛門くんが三郎たちもあーんと無理矢理お茶漬けを準備も何もない唇に押し付け、あちいよと文句を言われながらも全員に食べさせた

「お姉さんこれ俺好き!」
「あらそーよかったね。」

私は有名メーカーのお茶漬けが大好きだよと汁を飲み干し、客用布団を親に持たされたはずと天袋を漁っておっもい布団を畳におとす
流石に押し入れ臭がすると布団乾燥機をかけて少年たちが着れるようなTシャツとズボンを探し出してやっぱり畳に落とした

「結局食べてるじゃん。」
「・・・お残しは許さない食堂の住人に指導されたから。」

なんだそれと空になったプラスチック容器をざっと流してゴミ箱に突っ込んで、さてどうしようかと部屋を見渡す

「一人用布団に四人は無理?」
「こんな上等な布団使えないよ、俺たち床でいーからさ。」
「無理かーどうしようかな。」
「俺の話聞いてるお姉さん!?」

聞いてる聞いてると敷きマットを普段使いの敷き布団に並べて、シーツをかけて布団(仮)を作成。これで布団三枚みたいになった。これなら五人いけるでしょいけよ

「さあお風呂入ろう!長風呂の人!」
「へーすけ風呂で寝るくらい長風呂だよ。ハチは行水のごとく早くてらいぞーは次に早い。二人して浸からない。さぶろーはへーすけより長くないけど長い!俺はふつーかな。」
「まあ何でもいいや。じゃあへーすけくんトップバッター、一緒にハチくん入って。ハチくんが出たら勘右衛門くん入って、勘右衛門くんは浴槽に入ったららいぞーくんを呼んで、らいぞーくんが出たら三郎くんが入って、三郎くんが浴槽入るのと交代で勘右衛門くんがでる。勘右衛門くんが出たら30分後に私が入る。異論は認めない嫌なら入るな。」

さー入れとお風呂を指させば、へーすけくんとハチくんが二人で見合って慎重に廊下に出る。廊下は短いから電気ついてないけど、こわいのかと電気をつければ揃って私を振り返ってきた。あんたらが怖いわ

「バスタオルはカゴにあるから使ってね。洋服は・・・明日着るだろうから洗濯機かな。」

待ってねと先に歩いて洗濯機につっこんである自分の服をカゴに移して端っこに避けると、ここねと洗濯機をたたいてついでに浴室の電気をつけといた

「お姉さん聞いていいですか?」
「いいよ。」
「これ、暖かい空気でてます。」
「エアコンだよエアコン。ない家がレアなエアコンだよ。」
「えあこん、」
「ぎゃーっ!!」

ガッタンバタバタバタバタと夜中なんですけど!?と青筋ものの騒音と共に全裸のへーすけくんとハチくんが部屋に入ってきて、純粋にイラッとする

「ちょっと廊下にマーキングしないでよ。」
「みっ、みず、が!」

は?と首を傾げながら浴室に行けば、浴室の隅っこに水圧で押しつけられてるシャワーがあった
きゅっと水量を調節して廊下からみてくる勘右衛門くん(なんで勘右衛門くんなのか)に水量の調節はここでするの。いっぱいまであけると痛いから気をつけてねと伝える
それにしっかりと頷いた勘右衛門くんは伝言ゲームのようにへーすけくんとハチくんに伝えてくれた

「もう早く寝たいんだから、さっさとしてよ。」