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「**。席は一番後ろの廊下側。教科書はロッカーの中。鍵はこれ。校内図はこれ。困ったことがあったら、呼びなさい。」

スラスラと爽やか笑顔で言って下さった先生の犬歯の鋭さに、私は涙目で頷くしかなかった


(土井、半助先生・・・か。)

先生は、「吸血鬼」らしい。しかもいいとこの。




職員室から戻るは一年A組。
隣の席は、赤い蛇を首に巻き付けた・・・美形の男子。

(にしても・・・男子ばっかり。てか私だけ女子じゃない?なんで?)

ぼっちが決定した私は知りませんでした。
「吸血鬼」には男性しかいないなんてこと。



「お弁当?」
「ぅひゃ!」

ハイスピードで進む授業に流石名門。と必死に食らいつき、辿り着いたランチタイム
ブツブツとノートを広げながらお弁当を取り出した私に、隣の美形男子からお声がかかった

そして、私はノートを落とした。

「ごめん。」

床に落ちたノートをサッと拾い上げてくれた美形男子の蛇がチロチロと舌をだす
しかも近づいてくる!

「あ、あの、毒蛇ですか?」
「ジュンコって言うんです。綺麗でしょ?」

噛み合わない。

よろしくね、ジュンコさん。の舌に指を近づければ(犬猫のノリ)、カプリと咬まれた

「・・・ジュンコ!?」

美形男子は一拍おいて驚き、なんか、ジュンコさんの牙を消毒?しはじめた
愛が成せる業かと眺めていれば、ジュンコさんから私に視線を移した美形男子が傷に触れようとしるが
バチッと弾けるおとがして、美形男子の指先が焦げた

「え、え・・・えぇ!?大丈夫!?」
「大丈夫です。・・・ジュンコは多分毒注入してないでしょうし、小動物なら危険だけど**さんは人間だから問題ないと思います。」

安心してください。と笑うが、できるか!てか毒蛇かよ!!

「ジュンコさん毒蛇なんだね。」
「はい。」
「・・・指平気?」
「指?・・・放っておけば治ります。それより、**さんの方が心配です。」
「なんで?」

ジュンコが猛毒もってたら?と言われ、今更ながら自分の迂闊さにゾッとした
・・・それにしても

「自己紹介したっけ?」
「**さんのことは大川学園に在籍している生徒なら誰でも知ってるはず。」
「・・・・・・人間だから?」
「人間だから。」

それがあればまぁ大丈夫ですよ。と指された先には、母親からもらった指輪

「これ?」
「それです。魔除けでしょうね。」

だから指が焦げたのか。と頷いて・・・美形男子もやっぱり吸血鬼なのかと落ち込んだ


「僕は伊賀崎孫兵。よろしく。」
「・・・よろしくお願いします。」