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雷蔵くんのそばにいる人が、部屋にいるんだ
怖い、なんで、僕はどうすればいいの?

「竹谷八左ヱ門です!よろしくお願いいたします。」
「はい、よろしくお願いしますね。」
「よろしく。」

委員長が卒業されて、先輩が新しく委員長代理になった委員会に、新一年生と雷蔵くんの友の竹谷くんがはいってきた
笑顔がきらきらしてて、ハキハキ喋る、新しく生物委員にきた、竹谷くん
竹谷くんとは部屋も一緒で、にかって笑いながら挨拶してくれる。僕も、頑張って挨拶返せるようになった。けど、竹谷くんみたいにはいかない

先輩が竹谷くんのそばにいる。僕はきっと、また独りきりになってしまうんだ
だって、だって竹谷くんは元気でにこにこしてばかりだから

でも、でもでもでも!

「はーっ!先輩がた優しいな!***は一年の時から生物委員なんだろ?」
「う、ん、」
「じゃあ皆と仲良しなんだな。俺も頑張ろう!」

よろしくなと赤に笑った竹谷くんに、胸が痛くなった
お願い、僕の唯一の居場所をとらないで

「青っ、赤、白(ハク)、黄(オウ)っ、」

ぼろぼろと泣く僕は、必要最低限、勉強の時だけしか自室へ帰らなくなった
だって、竹谷くんは、怖い

「なあ!一緒に飯いかね?」
「い、らな、」
「じゃあ湯浴みを」
「いら、ないっ、」
「んなこと言わずにさ!俺、***と仲良くしたいんだ。」

人間にしては強い力が僕の手をつかむ。僕は怪我をさせたらと怖くてふりほどけない
だって、怪我をさせたら雷蔵くんに嫌われちゃう

(あ、ちがう、)
「***ーいるか?」
「せんぱいっ!」

弟みたいだと可愛がってくれる先輩が僕たちの部屋に来て、当たり前のように僕と竹谷くんを離してくれた
ほっとして泣きそうになりながら先輩に抱きついて、怪我をさせてないよね?と竹谷くんを見れば
竹谷くんは眉を微かに寄せながらハの字をつくり、そして何か訴えるように僕と先輩をみる

(も、しか、して・・・怪我、)
「竹谷もいるなら竹谷も。明日はオレ不在だから委員会はなし。餌は先生がやってくれるから。伊賀崎にはオレから言うから安心して休め。」
「は、はい」
「僕も手伝います!先生一人じゃ大変ですから。」

先生一人で活動をさせるわけにはと慌てて進言すれば、竹谷くんがなら俺もと手をあげた
でも、すぐに先輩は竹谷くんに断りを入れる

「お前はまだ委員会に慣れてないだろ?***は慣れてるから何も教えなくていいけどさ、先生に教えさせるわけにはいかないからダメだ。」
「でもっ、」
「休める時は休めよ。な?」
「っ・・・は、い。わかりました。」

じゃあ***、よろしくな。と頭を撫でてくれた先輩に強く抱きつけば、離れないなら飯一緒に食うかと笑ってくれる
それに頷けば、竹谷くんの顔がいっそう歪んで、目が揺れた


その意味を、僕は知らない