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***の隣が、いつの間にか生物委員の先輩方になってた

寂しくて寂しくて。でも、休暇の度に別々に里帰りすると母さんや父さんはもちろん皆から何があったのかと聞かれて、そうすると***がちゃんと仲良いですよっていうアピールをしてくれて、僕は追求から逃れられる
里帰りの間だけは隣は僕だけど、もし、***が僕から離れてったら、僕はどうすればいいんだろう?
確かに最初に無視したのは僕だけど、だって、怖かったんだ。***を見る周りの目が僕に向けられたらって、それだけで足がすくんで声がでない
もし同じ組だったら、もし***が力を制御できていたら、もし僕が臆病でなかったら。考えたらきりがないけど、もしって、やっぱり思うんだ

最近、***の先輩方から、僕が***を見る度に刺すような目で見られる
怖くて苦しくて、僕は逃げる。僕の顔を借りて僕を呼んで一緒にいようと笑ってくれる、三郎に


ああ、いやだな、僕って、最低。


「おほー・・・」

心底驚いたように、進級してから一月目で異例の部屋移動を果たしたハチは、かかっている名札をみて布団をよいしょと持ち直した
名札は、一つかハチで、一つが***。違う組なのになんでだ?と首を傾げたハチは、最近は噂とか聞かないし平気だろうと部屋へ入っていく

「・・・やめて、」

とらないで。ハチはすごく社交的で、誰とでもすぐに友達になれるから
だから、***はきっとハチと友達になってしまう
そんなの嫌だ!やめて、僕の***を取らないでよ!

「らいぞ、」

心配そうに僕をみる三郎に無理矢理笑みを向けて、ハチの引っ越しの手伝いのために部屋の中へはいった
中はびっくりするくらい物がなくて、空いていた半分に自分の荷物を置いたハチが、綺麗に使わなきゃなと当たり前のことを呟く
ふと、ハチが笑って手をあげた

「俺竹谷八左ヱ門!よろしくな。」
「・・・うん。」

よろしく。と、ハチをじってみる***が、忘れ物取りに来ただけだからと机から笛をとると、足早に行ってしまう
なんか可愛いなと笑ったハチに、僕はカラカラに心が渇くのを感じた