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穴の中で血反吐はいてうずくまる
誰も信じてくれなければ、誰も助けてはくれない
どうして、なんで?と見上げても、降り注ぐ刃物に血は失われていく

「お前のせいで天愛羅さんは泣いてる。しかも謝りもしないで天愛羅さんを責めて。」
「頭おかしくなるのは別に良いけど、天愛羅を傷つけるなら許さないよ。」
「お前と友達だったなんて、昔の自分を殴ってやりたいね。」

ああそうか。そんなにあの女が好きなら
僕と友達でいたくないなら

「僕はもう、君らを友達だなんて思わない・・・!!」

落ちてきた宝禄火矢に、僕の体は吹き飛んだ



暗転



眩しい。
チカチカする。どうして?夜中のはずなのに
見えるのは自分の血だけで、その血の分だけ友情とか親愛とか、無くなっていって
零に、なってしまったはずなのに


「***・・・?」


僕の名前は、もう誰もよばないはずなのに


「なぜ名をしっている。」

素早く名前を読んだ人物を押し倒し、首筋に苦無をあてがう
組み敷いた人物は起きたことを理解できていないようだ

周りにいる人たちの驚き、悲しみ、入り乱れた顔たちをぐるりと見回して
友であった者たちを思い出しながら、意識を失った