忘れさせて *


「クザン大将!またこんなところで昼寝なんて・・・!」
「はいはい。」
「はいはいではなく起きて!立って!走って!席に戻ってください!!」
「走るんだ?」
「走るんです!!」

笑ってアイマスクを上げたクザンは気怠げに立ち上がると、いつものように***に背を押されながら歩き出す

それが日常で、クザンにとって心地よく***には甚だ迷惑な平穏だった


「***っ、」
「クザ、ン・・・たい、しょ、」

太ももから流れ出る赤に血の気を無くしていく***はクザンにかけられた手錠に触れてがちゃがちゃといじくりまわす
なんとか外そうとしているのだが、海楼石の手錠は硬く、鍵を得られない状態ではびくともしないようだ

「にげ、てっ、くださ、い、ダメだ外れないっ!」
「おれはいいから止血を」
「私がいなくなるよりクザン大将がいなくなるほうが海軍には打撃です。っ、」

ふらつきながらも手錠を外そうとする***は背後に立つ男に気づかず、クザンが庇えるわけもなく、振り下ろされた拳に倒れる
そのままずるずると引きずられていく***は部屋から出され、クザンは目隠しをされて視界を奪われた

「殺すつもりはない。あんたはな。」
「***にこれ以上なんかしてみろ。粉々に砕いてやるよ。」
「ははっ、気も強いんだな。まあ、ならがんばるんだな。」
「頑張る・・・?」
「今から一人連れてくる。そいつとちょっと交尾してくれりゃいいんだ。」
「・・・・・・は?」

交、尾?理解が追い付かないらしいクザンはそう呟いて、数秒して脚を合わせきゅっと縮こまる
貞操の危機かと思っているのだろう、だが男は笑いながらそれを否定して部屋に入ってきた他の男たちに指示をしだした

「マットレスは・・・そうそうそこ。あー違う違うそれはあっち。うんいいね。さ、海兵さん。こちらへどうぞ。」
「っ、く、」
「早く手当てしないと、部下さんが死ぬぞ。」
「てめっ、」

歯を食い縛り足枷を鳴らしながら立ち上がったクザンは手探りでマットレスに辿り着き、恐る恐る上に乗せられている人間に触れる

「んー!ん!」
「って、」

蹴りあげられたクザンは手枷を外された手でその細い足を掴み、まさかと離した

「男・・・?」
「海兵さんのファンというか、まあ同意は得られてるし・・・ああ!まさか男とやんのははじめて?」
「当たり前でしょうや!勝手もなんも知らねェし、」
「しゃぶって勃たせてイカせて、穴にぶちこんで女をイカすみたいにやれば問題ないって!」
「・・・ぜってェ、後で氷らせる。」

へにょりとしている現段階では完全に泌尿器としての役割しか担えないぺニスに触れるのはいいが、抵抗を押さえつけながらでは上手くいかない

「くそっ、」

***のため。***が助かるなら。体を押さえ付けたクザンは念じるように呟き、たどたどしくもフェラをする
刺激に抗議の声が聞こえるが、それを無視して射精を促した

「んっ、ん!んー!」

嫌だ嫌だと首を振る気配に、クザンは早くイってくれと吸う力を強める。そして、一層くぐもった声で叫ばれる
バタバタと暴れていた足は硬直し、啜り泣くような声が響いた

「あんた、同意したんならせめて大人しくしててくんねェか・・・?おれだって、やりたくてやってんじゃねェんだから。」

顔にとんだ精液を拭いながら言い聞かせるように吐き出したが反応はない。そして、クザンの下半身にも反応がない

「海兵さんが勃たないか。」
「勃つわけねェだろっ、男相手なんだぞ。」
「ならオナニーでもしなよ。」
「ふざけ」
「部下さん、止血してないから今頃冷たくなってるかも。」
「なっ、っ、頼む、せめて止血は、それだけはしてやってくれ!」
「なら勃たせないと。」
「っ、わかったよ!やりゃあいいんだろ。」

唇を噛みながらぺニスを扱きだすクザンに嘲笑が浴びせられる
クザンが興奮なんてしようがない状況で必死に昂らせたぺニスはうわぉ、と男が引くほどのサイズ。クザンはそれをアナルに宛がうと、気づいた相手が叫ぶように暴れて抵抗した

「んんん!んー!んっ!!んぐっ、う゛!!っ!〜〜ッ!!!」
「いっ・・・てェっ、ち、っ、くしょ、」
「はははっ!それガチで入れるとは思わなかった!うわーうわー!いったそ!ささ、早くメスイキさせて。一回中でイかせられたら解放するからさ。」

気絶したらしい相手は揺すれば起きて、泣いて乞うように嫌がる
それを捩じ伏せながら犯していくうちに、クザンはねっとりと絡み付いてくる襞と蠢く腸壁に快感を覚え始めたようだ

「女みたいにっつっても、なんか、ヒントねェのか・・・!?」
「前立腺かS字結腸かな。」
「前立腺ってどこよ・・・S字?それもどこよ、わかんねェ。」
「ちょっと待ってな。」

数分か、もしかしたら数秒かもしれない。クザンは急にとろとろになったアナルに肩を跳ねさせ、引けた腰に伴ったぺニスがしこりに引っ掛かり、きゅうと収縮した中にここかと腰を打ち付ける
ごりゅごりゅとしこりを穿つ度にもっと深くにと望むように脚をつかんで体を半分に畳ませるように持ち上げた

「全部いれちまうからな。」
「っ、う!ひ・・・っ、ひ!う゛〜・・・っ!!ッ!!ゥえ゛っ、ぐ、ぐうゥ!!」
「ちょっ、ま、すっげ、搾られるっ、」
「S字結腸に入ったんだ。海兵さんの、腕みたいなサイズだから簡単にそこまで犯せるし、射精も勢いよくしたって奥すぎて溢れないよ。」

ずちゅっ、ずりゅっ、激しく中を擦られ、相手の体がけいれんする。だが射精した気配はない。いつまですればいいんだと、耐えきれず一度射精したクザンはそこから数度相手の体がのたうち回るようなけいれんを生ませ、ようやく射精を迎えた体からぺニスを引き抜いた
その気の緩んだ首筋に、薬液を射たれ意識を遠退かせる

「お疲れ、海兵さん。」
「てめェっ、くっ、」
「部下さんは任せてよ。」

くそったれ。悪態をついて、クザンは意識を失った




忘れさせて




「クザン大将!ですから抜け出さないでくださいと何度も!!」
「あーはいはい。」
「そういえば、クザン大将にナマモノが届いております。」
「ナマモノ・・・?」

ほらだから早く戻りますよ。あの日のことなど忘れたかのような***に対する安堵も薄れた今日日、クザンは悪い夢だったのだと罪悪感も全て忘却してまた迷惑な平穏へと戻っていた

執務室へ戻ったクザンは選別された郵便物を手に、まずは目についた箱をあける
中から出てきた電伝虫に、クザンも***も首をかしげた

「映像、電伝虫?」
「なんでしょうか。えい。」
「いやいや、なんで再生すんの?なんの躊躇いもなく。・・・、え?」
「これ、」

ぽちっと押された電伝虫はジーっと壁に映像を出し、その中身に揃って口をつぐむ

青を通り越して白くなる顔は目隠しと猿轡で隠されてはいるが、拒絶がありありと浮かんでいる。大男にくわえられ、イカされ、未通の穴を抉じ開けられ、いいように蹂躙されているように見える

「これ、まさか・・・おれ、か?こないだの、じゃあ、相手は、・・・目隠しでよくわかんねェな・・・。」
「っ、止めてください!!」

途中で外される目隠し。そして射たれた薬液にぐるりと向いた顔は間違えようもなく***だった
***が、クザンに犯されている。小柄な***に突き刺さるぺニスは***の腕より太く、腹部を盛り上げさせ***を何度も気絶させては激しすぎる律動に叩き起こし、時には泡を吹いて白目を剥くほどに責める
壮絶すぎる映像に、クザンは青ざめて***に振り向き、***は白くなりながらクザンから離れた

「や、やめっ、いやだ、っ、ひゅう、ひっ、ひゅ、」
「***、落ち着、」
「ひゅーっ、ひゅっ、ヒュウ、」
「***!」
「あっ、ひっ、ひ、かはっ、はーっ、ひ、」

ガタガタと震えた***は映像を見詰めながらクザンが気絶したシーンで叫ぶ
思わず口を手で塞いでしまうほどに、絶叫した

「んっ、むぐっ、」
「な、んなんだ、こりゃ、」

気絶したクザンに泣きじゃくって震えながら拒否反応を起こしている***は髪をつかまれ引き倒されると、群がる男たちに力の入らない体を弄ばれだす
クザン大将、助けてクザン大将、クザン大将っ!そう猿轡をとられた***はクザンに向かって手を伸ばして叫び、それは力なくシーツを握るものに。後はもう、あははははと笑い続けながら殴られ蹴られ踏みつけられ穴という穴を蹂躙され尽くすのみ

「おれ、なんつーことを、」
「ちが、ちがう、こ、れは、私じゃな、」

そして最後には、自分とクザンの体を綺麗にさせられ自主的に薬を飲むまで鞭で打たれ続け、そして映像は薬を飲んだ***がハイライトのない目で歪に笑ったところで途切れた

「いやだ・・・ちがうんです、これは私じゃない、この男はクザン大将なんかじゃない、だからっ、クザンたい、しょ、おねがいします、忘れて・・・っ、こんな、こんな私は忘れてください・・・!」
「忘れる。忘れるよ忘れるから・・・!だから、このおれも、忘れてくれっ!」

氷らせられた電伝虫はあっさり砕かれ、錯乱した状態の***はクザンの腕の中で気絶するように落ちる
クザンは***の体をソファーへ寝かせると、反応している下半身に叫ぶように拳を叩きつけた



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