寝ている君が好き *


「サカズキさん、可愛い。」
「う・・・あ、」

執拗に入り口を解し膨れたしこりを潰し蠢く腸壁が馴染むように前戯は行った。根元まで押し付けたまま腰を揺らせば、サカズキは眉を寄せ苦悶を浮かべながら呻く
ぴくりと動いた足が***を締め付けるように腰に絡んだ。熱くて、少し弱々しいそれに愛しさが募るだかり

「気持ちいいんですね。」
「・・・あっ、」
「眉間に皺、なくならないですね、。なら、これはどうですか?」

ずるると引き抜き、カリが引っ掛かったところで奥深くにまた押し込む。ゆっくり、じっくり、擦りあげれば腸液が増して水音が増すのがまた***の興奮を煽る
サカズキの口端から垂れた唾液は枕に染みをつくり、寄っていた眉間は緩んで眉がハの字に下がった

「あ゛、・・・ん゛っ、ゥあ・・・」
「イッちゃいましたね。びくびくしてて愛らしい。」

雄々しい胸板にとんだ精液と一緒にぷくりと色づく乳首を舌で転がし口に含む
びくりと浮いた腰が重なる***の腹に自分のぺニスを押し付けだし、しこりを抉ればそれは逃げに変わった。起きているときならそのまま逃げることもかなっただろうが、今のサカズキは覚醒していたとして良くて夢の中。下手したら夢も見ずに熟睡中だ

「うあっ、ぁ゛、」

のどを晒し悶えながらも起きない。***はへそに溜まる精液を舐めとりぐりぐりと舌で刺激する。びくりと、はねたぺニスが***の胸板に射精した
はっ、はっ、と浅く短い呼吸を繰り返すサカズキはじっとりと汗ばむ体を布団に横たわらせたまま中に射精されとろりとした目をうっすらと開ける
畳の上にあるお盆には湯飲みが一つ、中身は空だ。一般的なサイズの人間なら五分の一の量で朝までぐっすりな睡眠薬が混ぜられたお茶は、***が用意したものなら無条件に、警戒などしないサカズキの胃袋の中というわけだ

「***、・・・?」
「はい。」
「・・・、」

重たそうに瞼をおろしたサカズキはまた寝息をたてはじめ、***は胸を撫で下ろし萎えかけているぺニスを引き抜く。どうも、相手が起きてしまうと諸々気が削がれてしまう
***は一回イッたからいいやと頭を掻き、後片付けをしようとお盆を手に台所へと向かった




寝ている君が好き




日も昇りきったお昼時に起きたサカズキは洗濯も掃除も済ませて夕食の仕込みをしていた***を見てからぼんやりと時計を確認し、今日こそ一緒に行こうと決めていたのにと綺麗に畳まれた買い物袋を見て座布団の上に脱力気味に座った

「おはようございます。難しい顔をして、どうしました?」
「頭が痛い。」

額をおさえながら唸ったサカズキは、料理を中断してエプロンを外しながら自分を優先してくれる***に深く息を吐き出す
冷たい麦茶をグラスに二つテーブルへ置いた***の手をつかめば、寝すぎですよと苦笑されてしまった

「***がおると気が緩むんじゃけェ・・・次の休みこそは早う起きる。」
「別に構いませんよ。サカズキさんが休みをあわせてくれるだけで嬉しいのですから。 」
「わしの気がすまん。」
「真面目な人ですね。とりあえず、軽く何か食べますか?お茶漬けとか、いかがでしょう。」

炙った海苔と叩いた梅干し、煎り白ごまにネギとわさびをご飯の上へ。いりこ出汁をまわしかければ自然とお腹が鳴る
高菜ときゅうりの漬物を添えてサカズキの目の前へ置けば、サカズキは鳴ったお腹に逆らわず木の匙を手にまずは一口。ついで梅干しを少し、ネギを少しと味を変え頬張った

「うまい。」
「ありがとうございます。」
「夜は何じゃ。」
「鳥の手羽元と大根の煮物に厚揚げとカブのそぼろあんかけ。キャベツとスナップえんどうの味噌汁と水菜ととろろのサラダ、あとはひじきの煮物です。」
「・・・楽しみじゃが、相変わらず手伝えることはないんか?」
「ないです。」

そうか。頷いたサカズキの唇にキスを一つして、***は優しげに笑いながらありがとうございますと礼を述べる。手伝うのは当たり前だと否定したサカズキに、***はそうですねと笑った

「お疲れでしょうから、休んでいてください。」
「疲れとりゃァせん。よう休ん・・・」

はたと止まったサカズキがズキズキと痛む頭や腰に首を傾げ、***の手を引き後ろから抱きすくめるように抱えながら目をつむる
確かに疲れちょる。呟いたサカズキに、***はいつまで気づかれないで済むだろうかと難儀な性癖に苦笑した



(65/79)
[back book next]