それは必然で
!近親相姦!
「あはははっ・・・!くすぐったいよエレン!」
「あ、こら暴れるな!」
ジジッてファスナーが上げられて、私は何か不思議な素材のワンピースを着せられる。ストッキングを履かされたときは恥ずかしさで泣きそうになったけど、額にキスされてぐっとこらえた
「ねぇエレン、もう目開けていい?」
「ダメだ。俺が着替えてない。」
「えー・・・」
エレンに言われた通り濃い化粧をして髪を編んでアップにしたのはいいんだけど、何がしたいのか教えてくれない。でも、酷いことをされそうっていうのはないから、じっとしてる
「***、手出して。」
「う、うん、」
するりと肘上まで手袋がされて、髪にピンがさされたと思ったら鼻に布が掠った。まさかと目を開けそうになって慌ててきつく目を瞑った私に、エレンはくすっと笑って行こうと私の手をひく
立ち上がってエレンに従い重いスカートを持ち上げて歩く私は、段差あるからと言われ一段あがってようやく目を開ける許可をもらった
「・・・・・・エレン、かっこいい。」
シルバーのタキシードを着たエレンと、シンプルなウェディングドレスを着た私。レース越しに見えるエレンは緊張してるみたいで、少し震えた声で私に言い聞かせるように言葉を紡ぐ
「私、エレン・イェーガーは***・イェーガーを生涯の伴侶とし死が二人を分かとうとこの魂をかけて愛し抜くことを誓います。」
「・・・私、***・イェーガーは、」
エレンの本気なんだと、私は漸く思い知った。ずっとどこかでいつか本当に好きな人ができて私と別れるのだとばかり思っていたから、驚いているし後戻りができなくなる儀式だとわかった
「健やかなるときも病めるときもエレン・イェーガーを愛し支え慈しみ、共に障害を乗り越え共に歩むことを誓います。」
「・・・これは遊びじゃない。いいんだよな?」
「いいよ。私は、あの時からずっと、エレンのパートナーだから。」
「じゃあ、誓いのキス・・・していいか?」
「・・・うん。」
レースがあげられ、ゆっくり唇が重なる。数秒、時が止まって名残惜しむように離れた。エレンが今すぐにでも抱きたいって目で訴えてきて、別にいいかなって私は思ってしまった
「あっ、」
するりと左手の手袋が抜かれ、手を持ち上げられて薬指に指輪が通る。エレンの手にあるもう一つをとった私は、エレンの左手薬指にゆっくり指輪を通して笑ってしまった
「な、なんで笑うんだよ、真剣な」
「全部エレンが用意したんだなって思ったら、嬉しくって・・・幸せだなって。」
愛してるよエレン。私の可愛い弟。家族として、貴方を愛してる。絶対に口に出してはいけない、私の本当
「愛してるよ、エレン。」
「愛してる、***。」
エレン、エレン。唯一人の家族。この世にいない母と家族から離れてしまった父。あの広い家で縛られたまま身動きのとれない私たちは、この日この時この瞬間、後戻りのできない永遠を自分自身に誓ったの
それは必然で
「良かったわねエレンちゃん、***ちゃんなら安心してお母さんの代わりを任せられるわ。」
「・・・なんの話ですか?」
「告別式のときね、エレンちゃんと***ちゃんを別々に引き取る話がでたのよ。ほら、グリシャさんはああでしょ?そうしたら、私が家の事はこなしますから離れ離れにしないでくださいってはっきり言ったのよ。流石お姉ちゃんねぇ、立派だわ。」
ああなんだ、姉さんは本当に俺とずっといてくれるつもりだったのか。まあ、今更なんだけど
初めて姉さんを犯したあの日なんてなかったかのような姉さんは俺を不安にさせるには十分すぎて、そんな親戚の言葉にはもう価値がない
「・・・***、生理終わった?」
「うん。」
あっ、としまったというように口を押さえた姉さんは、またやられると思ったのか慌てて部屋から出ていこうとする
それをさせてるのは俺なのに、どうしようもなく裏切られた気分になった
「今出て行ったら、***のこと殺すかもしれない。」
「エレンっ、私たち姉弟」
「だからなんだ。」
だからどうした。どんなに強い絆も死んじまえば全部チャラなのに、きょうだいだからってなんだっていうんだ
どうせ忘れられるなら、今の姉さんには一生かけて刻みつけたい。どうせ忘れられるなら、今の姉さんは俺だけの女にしておきたい
「俺が嫌いか?」
「エレンは唯一の弟だもの、嫌いになんてなれない。だから、苦しいんじゃない。」
「いいじゃん別に。***には俺だけ、俺には***だけ。それで、死ぬまで一緒にいようよ。」
「エレンやめてっ・・・!せめてゴムをっ、赤ちゃんできちゃうからっ!」
「作るためにしてんだよ。」
このままじゃ姉さんは俺が一時の気の迷いでこうなったと思ったまんまだ。それは、ムカつく
どうしたらこの想いが本気だとわかってもらえんのか。考えながら姉さんをソファーへ引き倒した俺は、母さんと父さんの結婚式のときの写真をみて納得した
純白のウェディングドレスに黒のタキシード。そして光る指輪。完璧だと、俺は姉さんのスリーサイズを刻み込むべく汗ばみ色づく肌にしつこく手を這わせ姉さんにあうウェディングドレスを想像した
(63/79)
[back book next]
|