ラズベリル 1


***、***聞いてる?ねーペツォッタイト、どうしていつも顰めっ面なの?そして顔を見てくれない。
・・・別に。
知らないのかフォス、こいつは喜怒哀楽全てが笑いに直結するから顰めっ面なんだ。
・・・笑い?
にたぁって笑うんだよ。こわいぞ?
モルガ!
ほら笑った!
うわ、こわ・・・


「フォスとモルガの、ばぁか、」

透明感はあまりないからこその鮮やかなピンクの髪を触りながら、***はみんなどことうずくまる。先生、イエローおにいさま、モルガ、フォス、ダイヤ、ボルス、この際シンシャだっていい、誰かに会いたい。そう思ってなにが悪いのか

「ボク、月人に連れて行かれたのかな・・・加工、されるのかな、」
「天から人が降ってきたのってここら辺だっけ?」

誰かの声がすると顔を上げた僕の目の前に、茂みをかき分けた誰かが顔を出した

「天女様、」
「天女様、ずいぶんと探しましたよ。」
「・・・?」

何かを僕に向かって言ってるらしい彼らはなんだろう?てんにょさまってきこえるけど、僕はてんにょさまじゃなくてペツォッタイトなんだけど

「君たちは何?新しい子?先生は外出の許可を?許可を得ずに外出をしてるなら、僕も一緒に怒られてあげるから帰ろう?ていうか僕迷ってるんだけど道わかる?」
「どうしよう文次郎・・・言葉が通じない天女様は初めてだ・・・」

にしても変な髪質。肌も軟らかすぎる・・・まるで、まるで、そう、いや、思い過ごしだと頭を振り、僕は君たちの言葉はなんとなくわかるよと伝えてみる

「・・・向こうは分かってるみたいだよ?」
「(なら下手に喋れないな。)」
「(またそういうこと言って・・・)」
「先生に早く会いたいんだ、いやみんなにも会いたいけどね?早くルビーを会わせてあげなきゃ。」

先の戦いで欠片を取り返したルビー。イエローお兄様のかつての相棒。まだちょっとしか、取り戻せていない

「多分・・・こいつらから。」

僕の仲間なら僕の言葉がわかるはず。僕の生きる星なら草はこんな背は高くない。色んなものが、不思議を通り越して感心するほど違う。だから、彼らは月人だ。しかも僕たちを知らない未熟な。ならできる。潜り込んで、みんなを取り戻さないと

「とりあえず、忍術学園にいらっしゃいませんか?天女様。」
「うん、お願いしようかな。」



「2」へ




(42/79)
[back book next]