真綿に針を包む *


!頭のおかしい夢主
!欠損壊れ気味七松
!室町からのトリップ
!エロではあるがノーマルは欠片も見当たらない
!故にマブノーマルである
!どんな夢主もどんな七松も愛せる方向け
!苦情は全面的に受け付けていない

!!完全なる自己責任でO.K.ならどうぞ!!





「いつまで保つか楽しみだなぁ。」

恍惚と笑った男は、愛しい弟への誕生日プレゼントにしたいのだと、あの時わたしをみた。あれからどのくらい経ったのか、わたしはいま、衰弱しただ冷水浴をさせられている
焼きながら切られた四肢は別に宣言なしにとられたわけじゃない。最初は爪、第一関節、第二間接、根元、手首足首、肘膝、と順々にわたしが拒否するごとにとられたんだ
それはその日の内にわたしの食事として前に出され、食べないわたしは空腹のまま男による丁寧な世話全てを拒否していた。昨日までの話しだが

「虱が湧いてる。痒かっただろ?」
「・・・うん。」
「かわいそうにかわいそうに、すぐに薬をあげよう。」

逃げる努力は全部した。思いつく限り全部。でも、それを言葉だけで押し込めてしまう目の前の男は、わたしの弱さを知っている
簡単だ。「元の時代に帰る方法、知ってるよ」「これはそのための儀式だから」「外で君は生きられない」「外は君を拒んだ、忘れたの?」「僕は君を拒まないよ」「元気で明るい君が僕は大好き」そう言って、見知らぬ場所で孤立するわたしの足を止め躊躇わせればいいだけ
わたしがそれでも抵抗を始めた頃には、暖かな(時折わたしの一部だが)食事とふかふかな寝床が与えられた籠から、物理的に外へ出ることができなくなっていた

「今日はとびきり暑いからね、気持ちいいでしょ?」
「うん。」
「ふふっ、素直な君は可愛いねぇ?そうだ、君のお名前は?」
「・・・七松、小平太。」
「僕は***。今度、僕の弟を紹介するね?いい子たちだから、すぐに仲良くなれるよ。」

にこにこと始終笑う男は困った時は苦笑し呆れた時は息を吐くように笑い面白いと泣き笑い怒ると失笑する。感情が全て笑うという行為に直結してるらしい男の、わたしは笑い以外を見たことがない

「今日の夕飯なんだけど、僕どうしても抜けられない用があるから、なしで平気かな?」
「問題ない。」
「だよね!よかった。」

太ももと二の腕が途中まではあるから這うことはできるけど、もう気力がないんだ。帰りたいのに方法はわからないしこんな姿では帰っても死ぬだけ、わたしはもう、動く意味すらわからない





真綿に針を包む





「僕の愛しい弟の黄金(こがね)とプギーだよ。仲良くしてね?」

翌日、わたしに紹介されたのは稲穂色の大きな犬と、黒と桃色の斑な豚。少し前に腸内をきれいに洗われていたわたしはてっきり男とするのかと思っていたから、ちょっと驚いた
それより、弟が人間じゃないことのほうが、驚きだ

「っ、な、なんだ・・・!?」

わたしにのしりと体重をかけた犬はくんくんと鼻をすりつけてくる。ぞわりとイヤな予感が走ったわたしは恐る恐る男を見、男はなぁに?とでもいうように笑った

「愛しい愛しい弟たちが、欲求不満だっていうんだ。だから、ね?」

青ざめ叫びながら逃げるわたしを押さえつけたのは犬。男は犬の頭を撫で抑えると、わたしを担ぎ犬がいれやすいように四つん這いに、椅子に縛り付ける
犬畜生に犯される恐怖は身動きの取れないわたしに泣き叫ぶ以外のことをさせず、赤黒く筋の浮かぶ人外のソレに、本当にもう、死にそうだ

「いやだっ、いやだいやだお願いだ犬となんてっ、わたし、わたし」
「僕が欲しいのはダッチワイフなんだ。だから、壊れていいよ?」

にこやかにわたしの前にしゃがんだ男は、一つだけとわたしの唇に指を触れさせた

「イヤもヤダもコワイもキライもイタイも全部叫んでいいよ。だから、僕の名前を必ず呼んでね?」
「ッ、な、なに?え、えあ゛っ・・・!!」

一瞬で目の前が真っ白になる痛みに、わたしは髪を振り乱す。痛い痛いととめどなく涙が溢れ、わたしの顎や鼻をつたって床へ落ちた
ハッハッハッと荒い息づかいと生暖かい息が背や耳にかかり、爪が皮膚を抉る
内臓を引きずり出されるような気持ち悪さや心構えのない痛みは、しばらくすれば慣れによりぬちぬちという水音に変わった
それが、ばちゅんと一層肌が密着したと思ったら、はちきれんばかりに何かがわたしを中から広げ、どくんどくんと熱いなにかが注ぎ込まれる。それが精液とわかったのはすぐで、チカッとめまいがした
そして中から広げてくる何かは息もできないような激痛を伴いみっちりと抜けず、男は唾液を飲めずに垂らすわたしをよしよしと撫でる。その栓を無理矢理犬が抜こうとするから、痛みで何度も失神した

「あ゛ぁアアあ゛あ゛ァッ!!!いっ、だ、い゛だぁ、いっ!!」
「プギーの種付けもお願いね、小平太。」

痛みで気絶して揺り動かされて起きて、気をやって疲弊して休みはない。おかしくなった方が絶対楽だから、わたしは男にない手をのばす

「***、***っ、あ、あっ、ンん、」
「気持ちいい?小平太。」
「、もち、ぃっ、***、」
「よかったよかった。それじゃあ、ほら、プギーまたいいよ。」

人語を理解するらしい豚の何度目かの射精に涎を垂らし悦ぶわたしは、とっくに人間なんてやめていた



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