- ナノ -
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そんなに竜と空が好きなら、竜に乗って飛べばいいのにってよく言われるけど、と彼は言った。僕は空にいる君たちを見てるのが好きなんだ。
好きにもそれぞれの程よい距離がある、と竜。料理を食べるのが好きな者が、作るのも好きとは限らないみたいなものだ。彼はふふ、と笑う。君は食べるの専門だもんね。彼のその言葉に、竜も照れたように笑った。
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