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 その町にはこんな伝承がある。昔、痩せた土地で苦しんでいた人々を、とある竜が助けた。土に自らの生命力を送り込み、作物が育つようにしたのである。しかし竜はその反動で、定期的に月を食べて力を補わなくてはならなくなった。それで、満月の翌日から次第に月が欠けてゆくのだという。
 新月の日には竜に感謝の祈りを捧げるのがその町の習わしとなっているそうだ。


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