３９２

　次に来たときには、この花々は摘み取られているかもしれない。雲はどこかへ流れ、動物たちは別の場所へ旅に出て、町は小さく、あるいは面影もなく大きくなっているかもしれない。いま目に映るもの全てが、もう二度とは見られない可能性のあるものだ。空を翔けながら、竜は思う。心に焼きつけるように、よく見ておこうと。

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