- ナノ -


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 油断した。この地方は極寒だと聞いていたが、これほどとは思わなかったのだ。竜が体に違和を感じて首を巡らせると、翼が凍り始めていた。
 氷の海に落ちれば命はない。必死に翼を動かすが、凍てつく海はどこまでも続く。そのとき、流氷と思っていた塊から声が聞こえた。それは氷ではなく、海を漂う大型の氷竜だったのだ。
 氷竜は、竜を背に乗せ、少し暖かな海域まで運んでくれた。竜は心から感謝を述べると、翼を震わせ空に戻った。


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