- ナノ -


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 海中から突き出た岩の上に、竜は降り立った。陸地からはすでに遠く離れ、かなり長い時間、海の上を飛んでいたので、しばしの羽休めというわけだ。
 その様子を、船から見ていた人間がいた。人間は、船が港に戻ると、街の人々に興奮ぎみに話した。曰く、海で岩の上に佇む、凛とした姿の竜がいた、と。彼の目には、のんびりと空を眺める竜の眼差しも、遥か空の彼方を見据えるような鋭い視線に見えたのかもしれない。


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