- ナノ -




雨が降っていた
冬の空は灰色で
ただ冷たく凍てついていて

重たい足どりで
今日も歩いてく
それでもふいに差し込んだ
東の空から届くひかりに
私は顔をあげた

雨の降る日の太陽は
虹の贈り物をくれるもの

けれど それなのに
視線の先には何もない
灰色の空が広がるだけ
目を凝らせば
ようやく見えた
今にも消えそな
はかない7色……

雨の粒子が細かくなければ
虹はきれいに見えぬという

きっと 虹の架かるには
雨の粒が あんまり
おおきすぎたのだろう

きっと 虹の架かるには
涙の粒が あんまり
おおきすぎたのだろう

私の心のなかでも……






[  ]