- ナノ -


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 竜の前にいたその飛竜は、驚愕した。人間が纏っている鎧、兜。それに槍。見間違うことなどない。それは飛竜の親友の鱗や牙を使って作られたものだった。
 よくも、と飛竜は呻いた。次の瞬間、人間に向かって突っ込んだ飛竜は、槍に刺し貫かれていた。竜が止める間もなかった。頽れた飛竜の目からはとめどなく涙が溢れていた。
 竜の脳裏を、どんなときも人に優しかった飛竜の姿が駆け巡って、散った。


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