- ナノ -
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竜たちか、僕たち人間がどこかへ行ってしまって、はなればなれになる日がいつか来るのかなと少年は言った。わたしたちがいなくても、人なら案外うまくやっていけるのではないか、と竜。少年は首を振る。もしそうでも、僕、いやだよ。さみしいもの。
竜の首にそっと手を回して寄り添った彼のぬくもりを、竜は忘れない。
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