- ナノ -


280
 
 すごいや、君はあの雲の海を突き抜けて飛ぶことができるんだね、とちいさな飛竜が言った。そうだな、と竜が頷く。でも、わたしには、きみがさっき見せてくれたことは決してできない。飛竜は少し首を傾げ、それってこれのこと? と、素早く飛行しながら何度も宙返りしてみせた。竜は目を細める。ああ、すばらしい技だ。飛竜は照れたように、翼をぱたぱたと羽ばたかせた。


[ ]