- ナノ -


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 男は目をまるくしていた。話にしか聞いたことのない竜という生き物が、いままさに、彼の目の前にいるのだ。竜は静かな目で彼を見ていた。不思議と恐ろしさは感じなかった。男は竜に語るように呟いた。昔住んでた村の近くに川があった。ばあちゃんがよく言ってたんだ。その川には竜が住んでいて、みんなを見守ってくれてるんだって。おれ、いまならそのこと信じられる気がするよ、と。


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