- ナノ -


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 夜間の竜乗りは危険だと言われている。それでも、やめることはできなかった。竜鞍の整備、ゴーグルや飛行帽の確認。全てをしっかり行って、彼は今宵も空へ飛び出す。暗闇の世界に、目は徐々に慣れ、やがて降るような星空に包まれる。数多の星々の中へ竜とともに溶け合うようなこの瞬間が、彼はたまらなく好きだったのだ。


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