- ナノ -


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 空には明るく日が昇り、雨雲の気配はひとつもない。それなのにどこからか、ちろちろと水の流れる音が聞こえてくる。雪だ。雪が静かに溶け始めているのだ。竜が首を巡らせると、緩む雪の隙間から小さな野花が顔を覗かせていた。春を告げるように。


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