- ナノ -
239
明日は私の誕生日なの、と少女は嬉しそうに言った。おいしいものもいっぱい食べられるのよ。竜は何か贈り物をしたいと思った。街で会った他の竜から、この時期、遠方の森に七色に輝く珍しい花が咲いていると聞いた。太陽が顔を出す頃、花はやっと見つかった。喜んで来た道を戻ると、賑やかだった街は炎に包まれて静かに燃えていた。隣国が攻め入ったそうだ。少女の行方はわからなかった。
[
←
〇
→
]