- ナノ -
227
こうやって、小さな雪玉を転がして大きくして、二つ重ねたら。そう言って少年は雪だるまを作ってみせた。竜も手で雪を固め、鼻先でそれを押して転がしてみる。が、なかなかうまくいかず、途中で玉が割れてしまう。悪戦苦闘の末、日が暮れかけた頃にやっと完成した雪だるまは――なんて大きさだ。まさに竜ほどもある雪だるまを見て少年は目をまるくした。あたりの雪はすっかり片付いていた。
[
←
〇
→
]