- ナノ -


210

 庭の野苺を食べにやって来る栗鼠がいる。その栗鼠が、野苺を一粒、大切に抱えて持っていくようになった。ある日、人間はそっとその栗鼠のあとを追ってみた。すると、森の中のある場所で、栗鼠が野苺を静かに地面に置いた。草木の隙間から、栗鼠の前に一頭の竜が体をまるめて眠りについているのが見えた。


[ ]