- ナノ -
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生きていたのか! と竜は思わず駆け寄った。君こそ、と相手の竜も駆け寄ってきた。信じられないような、それでいてとても嬉しそうな表情だ。昔、共に空を渡っている時に大嵐に襲われた。吹き付ける雨と風の中にお互いを見失い、それきりになっていたのだ。生きていればいろいろなことがあるものだ、と竜たちは笑いあった。
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