- ナノ -
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少年は竜の頭を優しくなでて言う。僕は君に乗ることはできなかったけど、いつか君に乗りたいっていう人がいたら、乗せてあげてほしいんだ。見上げた空は、彼方まで広がる青の世界。少年はその輝きに、少し眩しそうにして微笑む。君から聞く空の話、僕は大好きだよ。そう言った少年の横顔は、ほんとうに幸せそうだった。
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