- ナノ -
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凍てつく空気もどこ吹く風で、彼女は笑う。私、冬って好きなんだ。こうしてさ、息を吐き出すとさ、ほら、まっしろ! なんだか、氷の力を持つ竜みたいじゃない? ね? そんな彼女に、いたずらっぽく笑う竜。それなら、わたしも。そうして大きく息を吸い込み、ふわっと吐き出した。たちまち辺りの空気が白に染まる。これはすごい氷の力ですね! と彼女は目を輝かせた。
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