- ナノ -


195

 長く伸びた竜の尻尾を、人の子がゆっくりと登ってゆく。やがて彼は竜の背にたどり着いた。やったあ! できた! 子はうれしそうに声を上げる。りゅうのぼり、だいせいこう! 背中のほうを振り返りゆるやかに微笑む竜。子がひとまわり大きくなったように、彼には思えた。


[ ]