最高の相棒
- ナノ -



最高の相棒

自分という存在から、人は逃げることができない。
楽しいときも嬉しいときも、
つらいときも苦しいときも常に自分はそこにいて、
自分自身を見つめている。
人はよく、謙遜でもするように、
「自分のこと? 嫌いです」なんて、言ったりする。
だが本当に自分のことが嫌いなら、
それは想像も絶する苦しみだ。
どんなときも、自分は自分自身に見張られ、
けなされ、軽蔑され、ののしられる。
それがどれだけ苦しかろうが、逃れる手は全くない、
自分という存在から、人は逃げることができないから。

ゆがんだ自己愛などいらない。
しかし人は、自分を嫌ってはならない。
自分を敵に回してはいけない、
自分という存在は、常に人の味方なのだ。
駄目な自分が嫌ならば、
もうひとりの自分と手を取って、自分を変えてゆけばいい、
さらなる高みにのぼるために、
自分自身はあるものだ。
生まれたその瞬間から、
人は最高の友を胸に抱く……
人よ、自分自身と共にあれ。




[ ]