時を待つ
- ナノ -



時を待つ

絶望が深いときは
まるで黒い布で目隠しをされているかのように
何も見えず
たったひとりで闇の中をさまよっている気がします。
外の世界を見たいと思う気持ちさえ枯れ果てて
暗いのがむしろ心地よく感じられたりもする。

……それなら
しばらくはそこにいてもいいのかもしれません。
そしていつか こころの中に
ちいさいけれど 必死に燃えたとうとする火を
見つけられたなら そのときは
その火をけっして絶やさないように
大事に 大事に 守っていけばいい。
少しずつ少しずつ 火は大きくなって
こころの中を照らし出す……
そのときにはきっと
黒い布などかなぐり捨てる勇気を
持つことができているはずですから。




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