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- ナノ -


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 竜に頼らなくても自分のちからで空を飛んでやる、と男は言った。飛ぶための機械を組むんだ。書きかけの設計図を睨みつつ頭を捻る彼を、竜は隣で見ていた。のちに、男は竜から着想を得た一台の飛行機を完成させた。短時間しか飛べなかったが、竜と共に空を舞う姿を、多くの人が見たという。


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