- ナノ -
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磨かれた刃のように鋭く冷たい空気が漂う夜、冴え冴えとひかりを放つ月をかつて共に見上げた友がいたことを、竜はふと思い出す。だからこの時期の月は、竜にとって懐かしいものなのかもしれなかった。遥か時を経て忘れることがあったとしても、それは竜の一部を確かに形作っているのだろう。
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