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- ナノ -


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 この樹は、私がほんのちいさな頃からここにあったの。私も長く生きてきたけれど、あなたは、この樹が芽を出すときから生きていたのかもしれませんねえ。老女は竜にそう言ってにっこり笑った。限られた時間だったけど、この樹や、あなたの時間の一部分を、共にすごせて幸せでした。
 竜はその言葉に、静かにうなずいた。大樹は今日も、変わらぬ青葉をかがやかせていた。


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