- ナノ -
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ちいさな黒い竜は言った。みんな夜の暗さを怖がるけど、ぼくは好きなんだ。空も、草や木も、きみも、闇にとけてみんな近くに感じるから。ねえ、そっとみんなのとなりにいるあったかい黒に、ぼくなりたいなあ。黒い竜と一緒に夜に包まれながら、竜はやさしくうなずいた。
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