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- ナノ -


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 雷を呼ぶ竜がいた。火炎を吐く竜も。魔法を身に纏ったり、氷を生み出したりする竜もいた。だが、その竜には何の力もなかった。ただ、飛ぶことが好きだった。雨が降る日も、雪の舞う日も、竜は空に飛びこんだ。彼はどんな竜より、空の色の数を知っていた。どんな竜より、雲の行く先を知っていた。それでいつしか、風の竜、と、呼ばれるようになったのだ。


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