- ナノ -
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お疲れさま、そう言って彼女は、竜の背から鞍を外した。竜は返事もしない。もう飛ぶのはあきあきって感じ? 彼女はくすりと笑う。竜は腹立たしげに足を踏み替えた。わかってるって、と、彼女は親しげに竜の背をたたく。そして鞍を置かずに、そのままひらりと乗った。竜はうなずき、空に飛び出した。
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