- ナノ -
16
竜は幾度か、空から人の住む街を見たことがあった。それは夜。家々のあかりが、あたたかな星のように地上に灯るとき。そのきらめきのなかに飛びこんでいけるのなら、どれだけ素敵なことだろう。決してふれることのできない光のひとつひとつを、それでも竜は、好きだと思った。
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