- ナノ -
11
空を飛びたい、と少年は言った。だから背中に乗せてほしいと。三日三晩、少年は竜に会いにきた。竜はついに問うた、なぜそこまで空を飛びたいのか? 少年は竜をまっすぐに見て言った、空が好きだからだ、と。
その晩、竜は初めて人を乗せて空を駆けた。背中に、あたたかさを感じながら。
[
←
○
→
]