- ナノ -
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隅々まで水路が張り巡らされたその街では、道を歩くというより、水上を移動する人の方が多いように思えるほどだった。それも、水竜に乗っている人が目につく。荷物や乗せる人が多いときは、水竜が舟を曳いていることもある。
家先の水路で寛いでいる水竜に竜が挨拶すると、のんびりとした返事が戻ってきた。彼らにとっても、ここは居心地のよい街なのかもしれない。
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