- ナノ -
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その街の人々は、竜にとても優しかった。しかし、竜と暮らす人間はひとりもいない。たとえ意思疎通ができても、竜と人とはそれぞれに違った生き物だ。お互いを尊重するがゆえに、別々に過ごすことを選んだのである。
一時的に街に立ち寄る竜の受け入れは行われている。竜はしばし旅の疲れを癒し、街を後にした。
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