- ナノ -


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 ちっちゃな頃は人見知りでね、と彼女は言った。よくひとりで遊んでたの。ある秋、竜と会って。一緒にどんぐりを集めたり、木の実を見つけて食べたり、木から葉っぱが落ちるのをただ眺めたりしてるうちに、誰かと何かをするのっていいな、って思うようになったのよ。
 へええ、と彼。その竜とは、今も会ったりしてるのかい? 彼女は首を横に振った。あの秋のあと、竜はもう現れなかったの。でも、秋が来ると思い出すのよ。元気かな、たのしかったな、って。彼女はそういうと、優しい表情で笑った。


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