- ナノ -
908
まだ夜の明けきらない空に向かって翼を広げる。闇の気配はあっても、もはやそれは漆黒ではない。紺から群青、薄紫へ。そして空色に繋がる、そんな明るさを帯びている。
これから何かが始まっていく。そんな予感がする空。旅立つにはうってつけだ。竜は大きく息を吸い込んだ。
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