- ナノ -


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 竜の舌が欲しいよ、と彼。そしたら、君たちがよりおいしいと思う食材を集めて、最高の料理を作れるだろ? 
 彼は城仕えの竜たちの料理番だ。竜たちの体をつくり、心を喜ばせる逸品を生み出すことに命をかけている。竜は笑って言った。舌はやれないが、おいしいと思うものを語ることはできる。彼の目が光った。ぜひとも頼む、と即座に彼は言った。


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