夜空の世界

流れていく星を愛した夜は
月の涙も暁の呼ぶ声もおいて星についていった。
流れていく星は生き急ぐように加速して
進むたび命を燃やし、ついには何も残らなかった。
それでも星を愛した夜は今もなお彼を抱き続ける。
星を焼いた炎は夜すらも包んでいっそう燃え上がる。
ついには夜までも燃やして
消えた夜に月は涙を流した。
暁は月を照らし夜を忘れようとしたが
その空白に思いはより浮き彫りにされた。
月と暁は互いを照らし合いながら夜を思い回り続けた。
 
残したもの達の涙の果てに奇跡は起きる。
長い時を経て、世界すらも超えた先
夜と星はまた巡り合う。
同じ姿に同じ名を持って。
争いのない世界でまた一度。
今その世界で月達も夜に再開する。
今度は幸せになれる?

夜を呼ぶ声
おやすみ



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